遅くなりまして申し訳ありません。
合格してからは親戚に祝勝会を開いてもらい、当分我慢していた焼肉をご馳走してもらったり帰郷したりと更新できずにおりました。
かなり日が空いてしまいましたが実地試験の振り返りをします。
試験前日は明日はやるだけだ!と振り切っていたおかげかそこまで緊張はせず、夜21時には就寝。
翌朝5時あたりに目を覚まし天候確認すると予想以上に雲が張っていました・・・
それから今日は雨降るのかな?とか考え出してから一気に緊張感が高まり心臓バクバクです(笑)
緊張感が高まったのには理由がありまして、それは小雨の天候の中、山間部を経由するナビゲーション飛行の訓練をした時です。
当時、山の稜線が見えており雨雲もそれほど低くなかった為飛行を継続しました。
そして山と雨雲との間を縫うように飛行していましたが段々と目の前がどんよりした黒い雨雲の世界に。
機内にいるはずなのに体感温度もひんやりと冷たくなってきてこれはヤバイと思い飛んできた道に戻ろうと引き返すも、目の前は降水の影響で視界が霞んでおり引き返せない状況に。
どうしよう。このまま引き返せない、雲の下は潜れないし雲の上もどうなっているのかわからない。そして燃料大丈夫かな。と考えているうちに何を優先すればいいのかわからなくなり教官のサポートが入り飛行後のブリーフィングでは叱責を受けました・・・
試験場に着くまでの間、今日の試験でこの経路の場合どう飛行するか。雲があった場合の対処はどうするか。この天候が続くとなるとどこまでの飛行が可能なのかと色々考えながら、各所空港のMETARとTAFを確認しフライトのイメージトレーニングをしていました。
試験場に着くや否や試験の準備をしていましたがあっという間に試験官が到着。
実地試験の流れは下記の通りでした。
・書類の確認
・口述試験
・ウェザーブリーフィング
・エアワーク
・ナビゲーション飛行
試験官が私のフライトログブック、航空身体検査証明書等を確認後いざ試験開始。
これから口述試験を始めます。始めますといった時点で試験となります
はいっ!
最初が肝心だと思い緊張しながらも勢いよく返事したのを今でも覚えてます(笑)
アメリカと日本で飛んでみて何が違った?
アメリカは空が澄んでいて雲を気にしないで飛ぶことができました
その質問を最初に雲に入って飛行してはダメなの?
試験で使う機体の特徴やエンジンの仕組み、プロペラはどうやって回る?
空力学、空域、航空法の規則等、会話の中で質問されそれに答えるという感じで進んでいきました。
口述試験を振り返ると受験者の知識の確認もそうですが機長としてどのようにマネジメントするのか。その思考を試験官は見ているなと感じました。
例えばロビンソンR22には25kt以上の地上風が吹いている時は飛行してはならないという禁止項目があります。
もし飛行中にどうしても降りないといけない場所で25kt以上吹いていた場合どうする?
風に正対し〜を行います
と答えたとすると、
その場所に降りた後はどうするの?
風にブレードが煽られ機体に接触する可能性があるので〜を確認したり〜を行います
それだけ?他には?
とこのような感じで想定外のケースが起きた場合にどうするのか。人それぞれの判断をみているような気がしました。
なんやかんやあり平均1時間で終わると言われている口述試験でしたが、私は2時間程かかったような気がします。。。
知識が曖昧のまま答えると試験官はその答えに対しどういう理屈でそうなるの?
と掘り下げてくるので何回か自分で土壺にハマっていました(泣)
そんな中で頭がほぼ真っ白になりながらも試験官から
よしっ口述は以上。じゃあ次やって
との言葉に「よしっ最初の口述試験は終わった!」と安心しましたが、それは束の間。
すぐに機長としての出発前の確認を行い、フライトへのイメージに頭を切り替えないといけなかったです。
”機長の出発前の確認” では
・試験機体に載せないといけない書類は全部揃っているのか。
・試験機体の飛行時間、エンジンの使用時間、次の定期検査までの残時間。
・その日の気温と全備重量から何フィートまでの高さならホバーができるのか。
・飛行前の重心位置は定められた包囲内に収まっているか。
・使用燃料は何で何ガロン入れるのか、使用しているエンジンオイル・ギアボックスオイルは何か。
・搭載する救急用具は何を積載し残り何ヶ月使用できるのか。
と事細かく試験官の前で説明。
そしてウェザーブリーフィングを行いフライトへ臨むことになります。
早朝に全天を張っていた雲はすでに気温の上昇の影響で消散し所々に晴れ間のみえる天気になっていました。
気象庁が提供している天気図を確認しながら
本日午前中のエアワークは何フィートまで飛行可能と判断し何フィートで行います。午後は前線は通過しており高気圧が東進してくると天気図から分かりますので現段階ではナビゲーションは〜まで飛行可能と判断しますがエアワークとタッチアンドゴーを終え戻ってきたときに再度確認し判断します
よしっ何時に出発する?
○時○分でお願いします
と試験官に伝えフライトに臨みます。
フライトの振り返りはまた次回に。